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成定春彦(ナリサダハルヒコ)

Author:成定春彦(ナリサダハルヒコ)
自然&料理&歴史&将棋
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京都嵯峨野、愛宕山のふもとに住んでいます。

 
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昔話の舞台を訪ねてみよう その5

 
2014/07/11(Fri) Category : 歩き・トレッキング・自転車ほか
昔話『蟹の恩返し』のつづきですが…

なんと
遠く離れた
九州福岡県は大牟田市にも
よく似た昔話が伝わっているそうです。。。

ツガニの恩返し

昔、筑後の国は三池の里に、お殿様の大きなお屋敷がありました。
そのお殿様には大層かわいらしい お姫様がいました。
あるとき、お姫様が屋敷内の大きな池のほとりで遊んでいると、なにやら、動くものがあります。
ツガニです。
お姫様は、お供の者に頼んで、そのツカニにごちそうをあげました。

それから毎日ツガニは池にやってきて、ごちそうをもらうようになりました。

あるとき、屋敷中のみんなで花見に出掛けました。
お殿様も家来たちも、おおいに酔っ払いました。
そんなすきに、お姫様は、ひとりふらりと小川の淵まで足を伸ばしました。

水遊びをしていると、一匹の大蛇が、草にまぎれてお姫様に近付いてきました。
お姫様は気づきません。
大蛇が鎌首をもたげて、お姫様の首に噛み付こうとしたその時です!
たくさんのツガニがあらわれ、大蛇めがけて飛びかかりました。
はげしい戦いののち、大蛇はツガニの鋏で、からだをみっつに斬られて死んでしまいました。

先頭にたって体を張っていたのは、お姫様が毎日ごちそうをあげていたツガニでした。

それ以来、その集落の人々はけっしてツガニを捕まえようとはしなかったそうです。

めでたし、めでたし。


こちらの昔話は
蟹満寺の昔話とは
ちょっと違いますね。
蟹が若い女性を助けるという大筋は同じですが。

再掲ながら、蟹万寺バージョンも…

蟹の恩返し 蟹満寺版

昔、山城国(現山城町綺田)に観音様を厚く信じる農家の父娘がいました。ある日、娘は村人がとる蟹を哀れみ逃がしてやりました。またある日、父は田で蛇にのまれんとしている蛙を助けるのに「娘を嫁にやるから蛙を助けて欲しい」とうっかり言ってしまいました。その夜、立派な男性の姿をした蛇が娘を貰いに来ますが、「三日待ってくれ」と懇願しました。男性は一度、引き帰りました。

三日目、板を打ち付けた部屋の中で父娘は懸命に観音経普門品を唱え祈っていました。やってきた蛇は約束が違うと怒りだし、家の周囲で暴れました。しかし突然、その音もやみました。夜が明けて見てみると、家の周囲には蟹の鋏で切り裂かれた蛇の死体が転がっていました。その時に死んだ蟹と蛇の屍を葬り塚を作ってその上に観音堂を建てたのが、蟹満寺といわれています。現在、毎年4月に蟹供養がおこなわれています。


ふたつの恩返し物語の違い、
まずは、蟹の種類。
『ツガニの恩返し』にでてくる
ツガニはモクズガニのことらしいです。
モクズガニは食用にもされる大型の蟹(淡水)です。

mokuzukani.png
[モクズガニ。野生のモクズは左京区岩倉の長代川で一度だけみたことがあります。かなりでかいです。強そうです]

蟹満寺のものはおそらく沢蟹でしょう。。。
蛇の大きさを考えますと、
モクズガニのほうが、
リアリティを感じます.....
sawaganiqqq.png
[沢蟹。かわいい蟹です]

つづいては時代。
蟹満寺バージョンは
説話が今昔物語集にもでてくるので
おそらく平安時代以前でしょう。
『ツガニの恩返し』の方は
雰囲気的に
室町時代~江戸時代初期のような気がします。
数百年ほど新しい伝承と思われます。

さらには登場人物の設定ですが、、、、
蟹満寺バージョンが しがない農家なのに対し、
『ツガニの恩返し』の方は
有力な武家を舞台としたお話となっています。
大牟田市三池地域は
南北朝時代~戦国時代には三池氏が、
江戸時代は
立花氏が領主となっていたらしいですが、
両氏のいずれかが
昔話にでてくるお殿様の
モデルなのでしょうか?

最後は
全体の雰囲気やイメージですが…
蟹満寺バージョンは
とても柔(やわ)な印象ですね。
蛇は人間が太刀打ちできない存在として描かれていますが、
沢蟹がやっつけてしまえる蛇に
大の大人(男)が打つ手なしって
どういうことなのでしょうか…??
地元の昔話ながら
正直
つっこみたくはなります。
まぁ
京都っぽいっちゃ
京都っぽいのですが.....

くらべまして
『ツガニの恩返し』には
男性的なイメージを持ちました。
一応
お姫様が主役になっていますが、
より強く焦点があたっているのは
やはりツガニの方でしょう。
大蛇を三つに斬ってしまったり、
(ツガニの)犠牲の描写がなかったり(自分が目にした昔話は)と
非常に戦闘力のある存在として描かれています。
食べ物をいただき
その恩に報いる忠誠心のあつさも含め、
武士はかくあるべしという姿を
蟹に託しているようにも読めます。


このような昔話が伝わっているとは
さすが
九州、
尚武の国ですね
関西には
武家が舞台の(武士がかっこよく描かれている)昔話そのものが
ほとんどないのではないでしょうか。。。
同じ
蟹の報恩譚でも
土地柄の違いがあらわれていて
とても興味深いです。

    

大牟田市には
「大蛇山(だいじゃやま)」という
『ツガニの恩返し』の昔話に由来する
超有名なお祭りがあるらしいです。
お祭りの山車は
大蛇がモチーフだとか。

daija04.jpg すごい迫力!
http://www.omuta-daijayama.com/about.html 

お祭りのハイライト、
巡行は
7月19日(土曜日)。
もうまもなくですね、、、
きっと今頃は
大牟田の町は
お祭り一色なのでしょう。。。

今年は難しいですが
ぜひ一度
見学してみたいものです

[おわり]


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